よりみちだらけの広東語学習ブログ

広東語・普通話の学習記録と中国・香港・台湾のあれこれ

【2】中国語って?-北京語・台湾語・広東語の違い(1)

 香港に行きたいならHISなりJTBなりのツアーに申し込んで週末にでもパッと行ってくればいいんだけど、ところがどっこいそうは問屋が卸さない(?)

 

私が行きたい香港は、旗を振っているガイドのお姉さんの後ろにぞろぞろと並んで歩いてお土産物屋さんに連れていかれて糖朝の大部屋に押し込まれて飲茶を体験しビクトリアピークに整列してみんなでカメラに向かってピース!!!とかそういうのではないのである。

 

勿論そういう旅行スタイルが悪いってわけじゃないんだけど、私が憧れた「恋する惑星」のフェイはあの雑踏の中を気ままに歩いていたわけじゃないですか。やっぱそれに憧れていくんだから、私も自由に香港の雑踏に紛れたい。

はいはい列に並んでー!勝手にあちこち出歩かないでくださいね~。ってのではわざわざ高い金払って香港まで行く意味がないのである。と、思う。

 

 

もう一つ、自分は京都に住んでいてよく外国人観光客に道を聞かれることがあるんだけど、英語とか中国語がさも当たり前に通じるかのように外国語でベラベラッと話しかけられると、若干腹が立つのである。

はい、心が狭いですね。観光立国とか言ってる風潮に完全に逆行してますよね!ごめんなさい!!

 

でも、「アンタなんで英語も分かんないの??」みたいな態度で道を聞かれるより、たどたどしくても間違ってても日本語を使って聞いてくれる方が嬉しいしできる限り力になろうって思えないですか?

「スミマセン」「アリガト」たった一言付け加えてくれるだけで全然印象が違うと思うんです。

 

で、これって、自分が外国に行く時も同じなんですよね。

 

昔ツアーで台湾に行ったことがあるですが、「シエシエ」「ニーハオ」みたいな簡単な言葉だけ教わって行って、でも現地では日本語ペラペラのガイドさんがついてたしお店の人たちも此方が日本人だと分かったら日本語で話しかけてくれたし、何より付け焼刃の中国語って発音が合ってるかも分からなくて恥ずかしくて喋る気になれなかったんです。

 

自分が向こうに行ったのに向こうの方に気を使わせちゃったのってすごく傲慢だなと思うし、外国に行ったのにその国の言語に触れないで帰ってきたってほんとの意味で行ったとは言えないんじゃないかな…

 

そんなもやもやがずっと心の中にあったので、大人になって香港に行くなら香港の人たちが喋ってる言葉をなるべく理解したい。そう決意したのです。

 

香港に行く前に…言葉を学ぼう!(だんだんゴールが遠くなってる)

 

 

 よし、そうしよう。香港の言葉……香港の言葉って何!?

 

ググってみたら、香港では広東語というヤツが話されているらしい。

で、それは中国語の方言なんだって…。

 

…ん?それじゃあ中国語って何!?

 

 

【いろいろ調べてみてとりあえず分かったこと】

・この時点で私が憧れていたのは香港映画の世界であり、どうやら劇中では「広東語」なる言語が使われていたらしく、それは一般的な中国語とは違うらしい(素人が聞いても分からん)。

・「広東語」というのは「中国語」のなかの方言の一種で、東北弁とか沖縄弁みたいなものである。

・また日本でいう一般的な中国語とは「北京語」あるいはそれを元に作られた「普通話」を指す。

・台湾では普通語が話されているが台湾語を喋る者もいる。

 

 

うーん、で、結局どういうこと?

 

方言?じゃあさ、たとえば東北のお年寄りと話そうと思ったらなかなか大変だけど、テレビつけたらそこでだって普通に標準語で放送してるじゃん?自分が標準語で喋る分にはちゃんと聞いてもらえるんでしょ?みたいなレベルなの?

そういえば簡体字とかいうのと繁体字とかいうのがあるけどあれはどういう使い分けしてるの?そもそも中国と香港と台湾って同じ国なの?違う国なの?

 

余計に疑問が溢れてきてしまった。

 

まあ、何はともあれ私が勉強すべきは「広東語」であるというところは分かったわけで、細かいことは大学一回生の頃必修語学で「中国語」を勉強していた友人に聞いてみることにした。

 

私「友人ちゃんが授業で教わった中国語って何語? 北京語?広東語?台湾語?」

 

友人「ええ……さあ…中国語としか…」

 

私「うーん…じゃあさ、先生はどこの人だったの?」

 

友人「確か北京の大学を出たって」

 

私「じゃあ北京語の授業なのかな?」

 

友人「たぶんそうだと思うけど…わかんないよそんなの…」

 

私「あ、でもさ、構内に台湾への交換留学生募集の貼り紙なかった?じゃあ授業では台湾語やってるの?あれ、でも台湾って北京語なんだっけ?」

 

友人「台湾ならあなたが行ったことあるでしょ?」

 

私「うーん…(行ったことあるのに全然分からない…情けない)」

 

 

全く収穫のない会話である。

 

 

ちなみにこの時点での私の中華圏経験・中華圏のイメージはというと 

・台湾には一度ツアー旅行で行ったことがあるが、本土の方はない。

・↑その時は訪台前に「ニーハオ」「シエシエ」などの簡単な挨拶を習ったが結局英語と日本語でなんとかなったので使わなかった。

・そもそも中国と香港と台湾の違いがよく分からない

・中国のイメージ:万里の長城共産党!にーはお!

・台湾のイメージ:謎の国。発展してる。国民党と共産党がどうって習ったような…

・香港のイメージ:中国と違うの?イギリスちっく…?経済の中心っぽい

 

とまあ、一般的な日本人の知識以上でも以下でもないと思う。(そして今思うとこの認識をそれぞれの人に読まれたら怒られそう)

中華料理は好きだが、特別中国ファンというわけではなかったので勉強したり情報を集めたりした経験は全くなかったのである。

 

 

 中国語って?-北京語・広東語・台湾語の違い(2)に続く

 

【1】香港に行きたい!!

「九龍風水傳 クーロンズゲート」というゲームがある。

かつてPS(プレイステーション)の発売とともに売り出されたという、まあ20年近く昔のゲームである。

 

ストーリーを説明するのは非常に難しいのだが、私がそのゲームを気に入った理由はプレーヤーが1990年代の香港、しかも九龍城の中を自由に歩き回れるというところだった。

 

夜が明けない世界。

暗い空を覆う雲に毒々しいネオンが反射する。

 

少し目線を下げると、ひしめき合って立つ高層建築に所狭しと取り付けられた怪しい原色の看板。鉄の柵は赤茶色に錆び、床のタイルは黄ばんでひび割れ、壁には何重にも張って剥がしたポスターの跡が残っている。

 

空気がしっとりと淀んでゆくの感じながら建築群の中へ…

肩で壁を擦りながら暗い路地を進んでゆく。

コツン……コツン……

底の見えない闇に吸い込まれてゆく自分の靴音に交じり、天井から垂れた配線がパチパチと火花を散らしている。

 

足元の水たまりに注意しながら壊れたまま投げ出されている鉄の看板を跨ぐと…ここは歯医者だろうか、黒ずんで埃の積もったガラスケースの中にはずらりと入れ歯が並べられている。

店先から目線を戻すと、こちらはどこかの飲食店の換気口なのだろうか、壁にあいた穴からシューシューと蒸気が噴き出してきた。

 

 

とまあこんな世界なのである。

舞台のモデルはかつて香港に存在した九龍城砦。香港返還前に取り壊されてしまい、現在は全く面影のない公園になっている、らしい。

 

この場所に行ってみたい…実際にはどんな感じだったのか、もっと見てみたい…

胸をときめかせながらネットで当時の画像を検索しているうち、九龍城砦ではないもののあの空気感を最も残している場所、「チョンキンマンション」なる建物で撮影された香港映画があることを知った。(私は邦画はおろか洋画も歴史に残る名作も、そもそも映画というものに興味がない人間なので、香港映画なんて猶更知っているわけがなかった)

 

その名は「重慶森林」、邦題は「恋する惑星」。

恋なんて甘ったるい言葉が入ったタイトルには正直あまり食指が動かされなかったのだが(映画の中でも特に恋愛ものは好きじゃない)、まあ背景を楽しむということでちょっと我慢して見てみるか…

早速中古のDVDを取り寄せ、あたたかいミルクティーを用意してからディスクを再生したのはある休日の深夜のことだった。

 

 

恋する惑星」は、私のようなものを知らない人間でなければ誰でも耳にしたことがある超名作。らしいので、ここであらすじを説明する必要はないかもしれない。

 

それは1990年代の香港を舞台に、とある二組の男と女の恋模様を綴ったオムニバス映画である。

 

一番簡潔に説明すると、まさに私のような恋愛映画を敬遠する人間にとっては全く興味をそそられない、陳腐でありきたりな作品という印象を受ける。

 

私自身の言葉でその魅力を説明し直そう

 

1990年代香港、そこは混沌の街。

英国と中国の隙間に流れ込んだ人々は、己が生きるすべを求め、身を寄せ合って夜を明かす。

 

鮮やかなネオンの波を見下ろす狭い部屋に、孤独な男がいた。

馴染みのコンビニ店員はそっけない。サラダ屋の親父に紹介される娘はどうにもしっくりこない。

乾いた孤独を癒やす為、男は夜の街を彷徨う。

 

賑やかな街の奥底に、孤独な女がいた。

生きるために危険な運び屋の仕事を進める。

手下の男たちの尻を叩き、混沌の中を駆け回り、だが女の心は孤独だった。

 

雨の晩、軒先から滴る水滴を避け、バーに逃げ込んだ男と女はすれ違う。

あたたかな光を反射して煌めくグラス。

外界の闇から切り離され、穏やかな音楽の流れる空間。

暗い混沌の街の小さな隙間で、二人は出会った。

 

 

映画の再生が終わったのは午前二時を回っていたのだが、私はその余韻から抜け出すことができずに結局空が白んでくるまで物思いにふけっていた。

 

なんと美しい映画なんだろう。

雨粒に反射して輝く夜の街、、ビルの直ぐ真上を掠めてゆくジェット機、、聞き慣れない言葉が行き交う雑踏…

 

よく小説なんかで「(作品に)衝撃を受けた」「人生が変わった瞬間だった」なんて表現を見ると(そんなことあるわけないだろう、大げさだなぁ)と笑っていたのだけども、間違いなくあの一時間半は私の人生を変えたと思う。

 

いや、人生は変わっていなかったとしても、映画嫌いな私が初めて手元に置いて何度も見返したいと思えた「大切な宝物」になったのは確かである。

 

さて、それじゃあやることは一つ。香港に行きたい!!!

 

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皆さまはじめまして。

五条もう と申します。

このブログは私が広東語や中国語(普通話)を学習している記録、勉強法や、その他香港・台湾・中国についての話題をつらつらと書いていく予定です。

 

はじめに広東語や中国語(普通話)を勉強しようと決意した時、国の事情や文化が言語に及ぼす影響、学習環境が今まで義務教育で習ってきたような英語とは全く違うことに戸惑いました。

 

疑問が浮かんでも質問できるような人はなかなか周りにいないし…

それからググってみたり、体当たりしてみて分かったことがたくさんあります。

 

私もまだまだ初心者ではありますが、同じように広東語・中国語(普通話)を勉強しようと思っている初心者の方々、あるいは先輩方と情報交換できる場が増えればと思い、こうしてネット上に記録を残すことにしました。

 

どうぞのんびり読んでみてください。

はじめての方も気軽にコメントしてみてください。

よろしくお願いします^^

 

 

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